当研究班の概要

 「胎児・新生児骨系統疾患の診断と予後に関する研究」班は度厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業))の一つの事業として選定されました。致死性骨異形成 症をはじめとした胎児骨系統疾患の診断と予後に関する調査・研究を行っています。 

 骨系統疾患は重症例では出生後早期に死亡し、整形外科的治療の対象とならない疾患もあり、産科医や小児科医が関わることが多いです。しかし各疾患の頻度は少なく、一般医師が多数の症例を経験しにくい一方で、疾患数は456疾患もあり、遭遇する機会は少なくありません。骨系統疾患に詳しい医師は極めて少なく、疾患に遭遇しても診断や治療方針、予後の推定などが困難な状態です。この状況を克服する必要から、産科医や小児科医の骨系統疾患への対応方法を示し、患児の予後の改善と家族の支援を行うことが本研究の全体の目的です。
 研究全体の目的としては

1) 症例の診断確定と治療方針決定の支援と定期的な研修会等の開催

2) 全国を一定の地域に分け、地域の医師に適切な診断と助言を行い、妊婦や患者家族に適切な診療ができる施設を整備

3) ホームページ等を用いた一般の医師や妊婦、患者、家族が情報を得るシステムを構築
そしてこの目的を達成するために、

4) 疾患頻度を明らかにするため、特定地域を対象としたコホート調査(同期間)、

5) 骨格異常を有する胎児を診断し適切な妊娠管理を行うために、胎児超音波検査や胎児CT、遺伝子検査による各診断方法の情報収集(H26~27年度)、

6) 胎児期および出生時点での確定診断指針(X線診断や超音波検査、遺伝子検査等)を確立(H28年度)、

7) TDの長期生存患者の発育状況について詳細な聞きとり調査を実施

8) 2014年度予定の骨系統疾患国際分類の改定に対応した疾患整理等を実施する。
 TDについては、本研究の代表者(澤井)や多くの分担者が加わった「致死性骨異形成症の診断と予後に関する研究班」(代表者・澤井)において、上記の一部を実施して、致死性骨異形成症の疾患名の変更の提案も含めて、大きな成果をあげています(日整会誌vol7,2013)。この成果をすべての胎児・新生児骨系統疾患に拡大します。